NYMEXで取引されているWTI原油価格が15日、一時86.20ドルと史上最高値を更新した。北海ブレントも82.90ドルと史上最高値を付け、かつて10月3日付けの弊社レポートで、AREA INTERNATIONAL TRADINGのエクシュタイン代表が言及した08年前半での100ドル乗せがリアリティを帯びてきた。また、15日に話題になったのも、中東情勢の悪化だった。
15日に原油価格が上昇した理由として、「週末にトルコ政府がイラク北部への越境攻撃を行った」との目撃情報が上げられている。トルコ政府は同日、クルド系武装組織「クルド労働者党(KKR)」を掃討するため、潜伏拠点であるイラク北部への越境侵攻の承認を国会に提出した。各種報道によれば、この申請が承認されるのは17日の国会とされている。
トルコによるクルド系武装組織の掃討作戦は急に湧いてきた話に思えるが、バークレイズ・キャピタルのレポートによると、トルコ政府にとっては「この数週間の間に兵士の死者数が急激に増加しており、何らかの策を講じなければならなかった」自体にあったと見られる。また、季節が冬に差し掛かり、軍事作戦には不向きな時期に差し掛かっており、先を急ぐ必要があった模様だ。
こうした動きを強めるトルコ政府に対して、さらに火に油を注ぐ結果となってしまったのが、米国側のアクションだ。米下院外交委員会は11日、オスマン・トルコ帝国時代のアルメニア人殺害を「組織的大量虐殺」とする決議案を採択した。この採択に対してトルコ側が駐米大使の召還や国務大臣の訪米中止と猛反発。さらには軍のトップも地元紙に対して、「決議案が本会議で採択されるなら、米国との軍事関係は過去のものとなる」と強硬な発言が飛び出している。
米国側もイラク問題の沈静化を目的に、トルコによる越境攻撃の自粛を呼びかけていたが、逆に弁明に追われるかたちとなっている。報道によると、米国務省は下院本会議での決議採択を阻止するため、あらゆる手を打つとしている。ただし、ある米専門家筋は「事態が上手く運ぶかどうかは予断を許さない」と見ている。米下院外交委員会を通った決議案自体は2000年からの懸案事項だった模様。これに加え、10月始めの決議案提出では200名以上の署名を集め、下院本会議に持ち込まれれば採択必須となっている。
さらには、この決議案には選挙区にアルメニア系のロビイストを抱えるペロシ米下院議長も後押し。ただ民主党として、イラクからの漸進的な撤退を目指す以上、イラク問題混乱に繋がる決議案を早急に本会議に送ることは躊躇すると見られている。その一方で、ロビイストとの関係から一定のペースで物事を進めなければならないといった事情がある。
下院外交委員会を通ってしまったこの決議案については「1年後に今の議会が終わるまでは、失効できない」(前出・米専門家筋)とあって、常に爆弾を抱える状態にある。また大規模戦闘となってしまった場合、「非常に低い確率ではあるものの、イラク北部に空爆を行っていたイランも関係してくるリスクもある」(バークレイズ・キャピタル)とあって、今後も中東情勢は為替相場において、大きなワイルドカードとなりそうだ。
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上位の入れ替えは凄いことに・・・
posted by noriya at 22:11
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